ごきげんな日々とそうでもない日々。

4つの難病を抱えながら生きるヒトのなんでもないようでどうでもある日常。

エンジェルフライト~国際霊柩送還士~



エンジェルフライト 国際霊柩送還士

エンジェルフライト 国際霊柩送還士




新聞広告を見てすぐに買った本です。
東京国際空港(羽田空港)の一角にはとある小さな航空会社があります。
その名は「エアハース・インターナショナル」。
ですが、まず私達が利用することはありません。
「ありません」というより「できません」という方が正解かな。
そして出来れば使わない方がいい航空会社です。




いえ、評判がすごぶる悪い会社という意味ではありません。
この航空会社は「ご遺体」が搭乗する専門の航空会社だからです。



母には「そんな怖い本読まんといて」と言われましたが、
どうしても読みたくて中身も見ずにパケ買いならぬタイトル買い。






縁起でもない!と怒られるかもしれませんが(実際怒られた…)
病気になって…そして余命宣告を受けてから
「死」について考えることが多くなりました。
それは別に悲観的でもなんでもなく、ただ知っておきたくて。好奇心かな。








ず~っと前のこと。
余命宣告をうけてしばらくしてから「身辺整理しといてよ」と言われました。
私は「もうしてますよ」と答えました。相手はびっくりしていました。
そして「それで最近DMが減ってるのか…」と納得していました。
そう、余命宣告を受けた時から私はすでに自分が死んだ時、
周りが困らないようにと生きているうちに出来ることは全てしていたのです。
何も悲しくなかった。やっぱりそうか、と思っただけでした。
なので…まるで事務仕事をするように淡々と身辺整理をしていたのです。






そんな身辺整理は離婚後も続き(意外とやること多いですよ、本当に)
出会ったのがこの本。
海外でなくなった日本人をお迎えし、ご家族の元へお連れする、
そのまた逆で日本でなくなった外国人さんを飛行機に乗せてお送りする、
そんな「死」の裏側の仕事に密着取材したドキュメント本。
なぜかは分からないのですが、無性に知りたくなって買ったのです。




スマトラ沖地震ニュージーランド地震、そして東日本大震災でも
この会社は裏側で…本当に誰も知らないところで
ご遺体をご家族の元へお連れするために仕事をしていました。
もちろんこうした大きな災害だけでなく、今日もどこかでひっそりと旅立った
どなたかのために決して見えないところで仕事をする。
亡くなったご本人様とご遺族様のために出来ることをしている。
この本がなければ私は一生知ることのなかった
「死」に関する本当のお仕事が見えました。
そしてこのお会社は空港にあるように「国際的」な仕事をしているので
私が死んでもお世話になる場所ではありません。
それでも…「死」と向き合って全力で働く人とご遺族様の様子を知り
自分が死んだ時もこうであってほしいと思いました。








「blogで紹介したい!」と思ったのはいいのですが、
なんて書いていいのかわからず…困りました。
今も困りながら書いています。


決して暗い本ではありません。むしろかなり前向きな本です。
元気だった頃の私が読んだら、多分ただ単に「感動した~」で終わりそう。
でも今の私だからこそ読めた「なにか」がこの本にはありました。


その「なにか」がなんなのかがわかるのは…きっと私が旅立つときでしょう。